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コラム:経営者の個人保証を外す方法

クライアント先で、経営者が高齢なので事業承継対策を急いでいる会社があります。
幸い「現経営者の後を継いでもいい」と言ってくれている人がいるのですが、心配しているのが経営者の個人保証。

「借入金の保証人になるのは勘弁」とのこと。
確かに、心配するのは無理もありませんよね。

中小企業、特に小規模企業の経営者の方は、借入をする際に、当たり前のように保証人を求められます。
銀行のみならず、日本政策金融公庫や信用保証協会といった公的融資の場合も、基本的には同じです。

この保証人、経営が順調な平時であれば問題になることもなく、特に意識することもないかもしれません。
しかし、次の場合に大きな問題となって立ちはだかります。

◇ 借入金が返済できなくなった時

土地や家屋等の物的担保をもってしても返済できないときには、保証人である経営者自身の資産や収入で返済していくことになります。
返済資金を確保できないと、自己破産せざる得ないケースもあります。

◇ 経営者が死亡した時

金融機関等に対する保証は、原則として相続人(配偶者、子供等)に引き継がれます。
経営者の死亡で相続が発生した場合、経営に関与していない相続人でも保証人となってしまいます。
万一返済できなくなった場合、その相続人が返済しなければなりません。

◇ 事業承継を行う時
前経営者から事業を引き継いだ経営者は、金融機関等から保証人になることを求められます。
つまり将来、経営者のみならず、その親族(相続人)や現経営者から事業を引き継ぐ人もリスクを負っているのです。

こうしたリスクを持つ個人保証制度が、創業や円滑な事業承継を阻む原因となっていることが以前から指摘されていました。
そこで、平成25年12月に「経営者保証ガイドライン」が公表されました。

内容をひと言で言うと「金融機関等は経営者に対して、個人保証人となることを求めないようにする指針」です。
法律ではないので拘束力はありませんが、金融庁と中小企業庁が中心となって策定されたものなので、金融機関等はこれを無視するわけにはいきません。

個人保証を外すための道が開けました。
将来のリスクを心配している全ての中小企業経営者にとって、朗報ですね。

しかしです。
このガイドライン、とても難解、というか読みにくいのです。

一文が400字を超える文があったりします。
もし私がこの文章を書いた人の上司だったら、即「書き直し!」を指示したでしょう(^_^;)

このわかりにくさが、イマイチ浸透していない原因かもしれません。

そんなガイドラインですが、借入金の経営者保証を外す、または保証人とならずに新規借入をするための条件を以下にまとめてみました。

1.法人と経営者との関係の明確な区分・分離

・法人から経営者への貸付は行わない
・個人が負担すべき飲食代等を法人の経費処理としない
・本社・工場・営業者等の資産は法人所有とするのが望ましい
(やむを得ない場合は、適切な賃料を支払う)
・役員報酬や配当等は、社会通念上適切な範囲を超えない

2.財務基盤の強化

・財務状況や経営成績の改善を図る
・順調に返済し得るだけの利益・キャッシュフローを確保する

3.財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保

・「資産負債の状況」「事業計画」「業績見通し」「それらの進捗状況」などの正確な情報を金融機関等に開示する
・「貸借対照表」「損益計算書」「各勘定科目明細」の提出
・年1回の決算後のみでなく、期中においても「試算表」「資金繰り表」等を定期的に報告する

金融機関等を安心させる事業計画と財務計画があるか否かがポイントですね。

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中小企業診断士  増子慶久
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2015-02-02 | Posted in columnNo Comments » 
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